2026年7月1日水曜日

原典に当たるMMT——続きの続き。MMTとは「変動相場制で自国通貨建ての国債だけを発行している国」の話ではない|wankonyankoricky

原典に当たるMMT——続きの続き。MMTとは「変動相場制で自国通貨建ての国債だけを発行している国」の話ではない|wankonyankoricky

原典に当たるMMT——続きの続き。MMTとは「変動相場制で自国通貨建ての国債だけを発行している国」の話ではない

Bond sales (or purchases) by the treasury and central bank are, then, ultimately triggered by deviation of reserves from the position desired (or
required) by the banking system, which causes the overnight rate to move away from target (if it is above zero). Bond sales by either the central bank
or the treasury are properly seen as part of monetary policy designed to allow the central bank to hit its target. This target is exogenously 'administered' by the central bank. Obviously, the central bank sets its target as a result of its belief about the impact of this rate on a range of economic variables that are included in its policy objectives. In other words, setting of this rate 'exogenously' does not imply that the central bank is oblivious to the economic and political constraints it believes to reign (whether these constraints and relationships actually exist is a different matter). But, as Moore insists, the overnight rate can be taken as exogenous.
 This discussion applies to nations in which the government issues a currency in a floating exchange rate regime. A country that pegs its currency to a foreign currency or precious metal operates in a quite different interest rate environment, however, generating constraints on both fiscal and monetary policy. If a government promises to redeem its currency for another currency, or for a precious metal, it must retain sufficient reserves of that currency or metal to meet all conceivable requests for conversion. This could require reserves equal to, or even greater than, the total stock of domestic high powered money (plus the portion of government bonds that is maturing in the near-term). Government budget deficits are then quite dangerous unless a trade surplus can keep the foreign currencies, or precious metals, flowing into official reserves. More relevantly for this chapter, interest rates become endogenous in the sense that monetary policy must discourage redemption of domestic currency assets for foreign currency or precious metal. Further, a looser fiscal policy must almost necessarily be offset by a tighter monetary policy (higher rate target) unless the country enjoys a sufficient trade surplus. If private banks offer convertible accounts, they must also retain sufficient reserves to meet conversions. Note also that central bank policy will tighten in crisis, just as the Bank of England used to raise rates and call in loans whenever there was a run on private banks during the nineteenth century (Wray, 1990). Accommodative behavior of the central bank operating in a fixed exchange rate regime is dangerous because it places the country's reserves of foreign currency or metal at risk. Thus, the Fed's timid response to the Great Depression, and its raising of rates in the accompanying financial crisis, were appropriate while the country was on the gold standard. While the Fed did still 'administer' the discount rate in a technical sense, it could not 'exogenously control' it because international financial markets dictated the domestic rate that would stem specie outflow.

前出・続き

 したがって、財務省や中央銀行による債券の売却(あるいは購入)は、最終的には、準備残高が銀行システムが望む(あるいは必要とする)水準からの乖離し、それが翌日物金利を目標値(ゼロより高い場合)から引き離すことで、引き金を引かれる。中央銀行または財務省による債券売却は、中央銀行が目標を達成できるように設計された金融政策の一環としてとらえることが適切である。この目標は、中央銀行によって外生的に「管理」される。当然のことながら、中央銀行は、政策目標に含まれる一連の経済変数に対するこの金利の影響に関する見解に基づき、目標を設定する。言い換えれば、この金利を「外生的に」設定するからといって、中央銀行が、自らが支配的であると見なす経済的・政治的制約を無視しているわけではない(これらの制約や関係が実際に存在するかどうかは別問題である)。しかし、ムーアが主張するように、オーバーナイト金利は外生的であると見なすことができる。
 この議論は、政府が変動為替相場制の下で通貨を発行している国々に当てはまる。しかし、自国通貨を外国通貨や貴金属にペッグしている国はまったく異なる金利環境下で運営されており、財政政策と金融政策の両方に制約を作り出している。政府が自国通貨を別の通貨や貴金属と交換することを約束する場合、想定しうるすべての交換要求に応えられるよう、その通貨または貴金属の十分な準備高を確保しなければならない。これにより、国内のハイパワードマネー(および短期で満期を迎える国債の部分)の総残高に匹敵する、あるいはそれを上回る準備高が必要となる可能性がある。したがって貿易黒字によって外貨や貴金属が公的準備に流入し続けられない限り、政府の財政赤字は極めて危険なものとなる。本章にとってより重要な点は、金融政策としては、自国通貨建資産を外貨や貴金属へ換金されることを抑制しなければならない、その意味で金利が内生的になるのである。さらに十分な貿易黒字を享受していない限り、緩和的な財政政策は、ほぼ必然的に引き締め的な金融政策(金利目標の上方修正)によって相殺されなければならない。民間銀行が換金可能な口座を提供する場合には、これまた換金要求に応えるために十分な準備を保有しなければならない。また、危機時には中央銀行の政策が引き締められる点にも留意すべきである。これは19世紀に民間銀行で取り付け騒ぎが発生するたびに、イングランド銀行が金利を引き上げ、貸付金の回収を行っていたのと同様である(Wray, 1990)。固定為替相場制下で中央銀行がアコモデート的な行動をとることは、その国の外貨や貴金属の準備をリスクにさらすため、危険である。したがって、大恐慌に対する連銀の消極的な対応や、それに伴う金融危機における利上げは、米国が金本位制下にあった当時においては適切な措置であった。連銀は技術的な意味では依然として割引率を「管理」していたものの、国際金融市場が正貨流出を食い止めるための国内金利を決定していたため、それを「外生的に制御」することはできなかった。

DeepLの訳を修正

 さて、「MMTは変動相場制で自国通貨を発行し、自国通貨建て国債のみを発行している国に当てはまる」という言説を聞いたことがある人は多いのではないか。だがここでレイが語っているのは、固定相場制あるいは金本位制のもとでの金融財政政策の一面である。
 ホリゼンタリストの代表者として、ムーアは現に目の前で行われているオペレーション手続きを適切に評価した。翌日物金利は中央銀行が決定し、管理している。その「管理」は、中央銀行が参照する資料に基づくものだ。しかし歴史的に言えば、これは「変動相場制で自国通貨を発行している」国にしか、当てはまらない。ここでムーアは「administration」と「control」を不離として語っている。両者を区別することには意味がないかのようだ。だが変動相場制ではない国々——例えばユーロ圏のような——は、いったいどうだろうか。
 資本制経済——貨幣的生産経済——においては、金本位制だろうと外貨ペッグ制だろうと、すべての国で中央銀行は金利を「アドミニストレート」している。今回はこの言葉に「管理」という訳語を当てた。しかし「コントロール」——今回は「制御」とした——は外生的である。つまり「金本位制あるいは外貨ペッグ制を維持する」という方向を見ながら、金利を決定しなければならない。変動相場制だろうと金本位制だろうと、中央銀行は金利を「管理」しているのである。だが中央銀行は何を見て、何を優先して金利を決定するのか。「外貨・金地金との交換」を約束している債券——それが国債であろうと紙幣であろうと——を発行している国家の中央銀行は、約束の不履行が生じないように配慮して金利を決定する。この場合には、実際に「国家債券の債務不履行」、つまり「約束通りのもので約束の期日に払い戻しができない」事態は生じるのである。これはインフレデフレとはまた全く別の話である。MMTが、「インフレ」を「実質的な財政破綻」とは区別して考えている、ということについてはすでに説明したが、実際「インフレ」と「国家債務の不履行」とは全く原因を異にする全く別の経済現象なのであり、その問題解決手法も全く異なっている。金本位制を離脱し、変動相場制になったことで、問題の一つは解決された。これで「自国通貨」が経済的理由でデフォルトする必然性はなくなった。ところが中には共通通貨に戻って昔の問題を繰り返す国々もあるし、自国通貨価値を高めようとして一時的な利益のために外貨とペッグしてしまい、結局自国通貨の「主権性」を放棄する国も出てきている。MMTはこうした政策に関する「べからず帳」を提供しているのであって、決して「『変動相場制』だけに適用される理論」などではない。ただ政策論的には「変動相場制を採用するべきではない」「外貨建て国債を発行するべきではない」ということになる。だがMMT自体は政策論でも「べき」論でもない。ただ、「である」ことをどう記述するか、という話だ。ウエーバーの「ザイン」と「ゾルレン」の違いである。今日、ウエーバーは流行っていないようだが、後にインガムからの引用も取り扱うつもりなので(そこではマルクスやケインズ、シュンペーター、ヴェブレンと並んでウエーバーも取り扱われているので)、興味ある方は『プロ倫』を中心に、岩波文庫から出ているものぐらいには今のうちに一通り目を通しておいてほしい。おっと、これは鬼が笑うか。いや、話がまたずれた。
 
 だから「MMTは変動相場制の自国通貨を発行している国にだけ当てはまる」という言い方をされることは、まじめにMMTを学んでいる人間にとっては大変迷惑な話なのである。変動相場制ではなく、あるいは自国通貨を発行していない国にも、外貨建て国債を発行している国々にも、MMTは当てはまる。ただ、そういう国々には国債や通貨のデフォルトの経済金融的必然性はあり得るし、それを避けるために中央銀行は、国内の経済状況を無視して——考慮していたところで結果はあまり関係ないかもしれない、というのがMMTのまた別の論点ではあるが――、現物金や外貨の流出入を最優先して、金利を決定せざるを得なくなるかもしれない、ということである。

猫のしっぽを踏んでしまったので、途中だが今日は終わり。本論文からの引用はとりあえずここでおしまい。

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原典に当たるMMT——続きの続き。MMTとは「変動相場制で自国通貨建ての国債だけを発行している国」の話ではない|wankonyankoricky https://note.com/wankonyankorick/n/n9be88b6a52ca ...