第1484話 財政法4条と赤字国債
序文・国債発行原則禁止
堀口尚次
財政法第4条とは、日本の財政法での条文。国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。
赤字国債とは、日本において財政の財源として発行される特例国債のことである。国債の元利償還を受ける個人〈国債を購入した債権者〉と、税を負担する個人〈納税者〉は異なる。赤字国債を購入しているのは富裕層に偏り、国債を保有しない国民の手元には何も残らない。これは、18世紀英国の経済学者デイヴィッド・リカードの定理を、米国の経済学者ロバート・バローが1970年代に再定理化した「リカード=バローの等価定理」として知られている。
日本では、財政法第4条「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と、国債発行を原則禁止している。しかし、同条文の但し書きに「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と、例外的に建設国債の発行は認めている。 しかし、1965年度の戦後初となる国債を補正予算によって発行したものの、東京オリンピック後の不況と法人税減収による歳入不足への対応であり、当初は「特例的かつ一時的」な措置とされた。発行額は2000億円で、全額を市中消化する建設国債であった。ただし、単年度であり、1966年度以降は1973年まで赤字国債発行は無かった。
建設国債とは、国が公共事業費や出資金・貸付金の財源に充てるために発行する国債。別名は四条国債。
財政法第4条は、本文で国債発行を原則禁止する一方で、その但書きにおいて「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と規定されており、この規定に基づいて、建設国債が発行できるとしている。四条国債という別名は同条を根拠にしていることによる。例外的に建設国債が発行可能となっている理由は、建設される公共施設は後世にも残って国民に利用できるためであり、後世に残らない事務経費や人件費に充てることはできない。
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