2025年3月23日日曜日

大阪万博とサプライロス型インフレ | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba 2023

大阪万博とサプライロス型インフレ | 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

大阪万博とサプライロス型インフレ

◆◆◆

2023年10月4日(水)18時から 船橋市民文化創造館きららほーる 

講演「公益経済主義とBNI マクロ経済学から見る経済のこれから」

国民に「死ぬこともやむなし」と主張しているに等しい財務官僚 [三橋TV第756回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/OL8rhU6qygw  

 現在の日本は、長年、デフレを放置したことによる供給能力の毀損を受け、コストプッシュでもデマンドプルでもなく、「サプライロス(供給能力喪失)」型のインフレに陥りつつあります

 つまりは、発展途上国化のゴールに到達しようとしているわけです。

 もちろん、すでに物価は多少上がっていますが、これは輸入物価上昇に起因するコストプッシュ型インフレです。輸入物価上昇の影響を完全に排除してしまうと(そういう統計はないのですが)、物価上昇率はゼロに近づくか、恐らくはマイナスに突っ込むでしょう。

 輸入物価上昇の影響の、売価への転嫁(やらなければなりません)が進んだという話で、別に需要が増大したわけではありません。

 土木、建設を例にとると、建築資材価格は2011年平均を100とすると、140にまで上昇しています。資材(ほとんどが輸入でしょう)が1.4倍になっているわけです。なかなか、洒落になりません。

 上記とは「別」に、1997年のピーク以降、公共投資削減、指名競争入札・談合叩き、労務単価引き下げ等により、建設業から200万人の生産者が消えた。さらに、少子化が加わり、土木・建設の分野は超絶的な人手不足になりつつある。

 建設技能労働者の労務単価を対2021年1月と比較すると、鉄筋工が5.1%上昇、溶接工が7.3%上昇、型枠工が5.8%上昇、鉄骨工が3.1%上昇、防水工が9.7%上昇、左官が6.5%上昇、塗装工が10.6%上昇、内装工が7.6%上昇、特殊運転工が14.5%上昇、とび工が9.5%上昇、普通作業員が11.2%上昇となっています。

 これが、サプライロス型インフレです。

【日本の建設業就業者数(万人)】


http://mtdata.jp/data_85.html#syuugyou

【2023年7月時点 日本の有効求人倍率】


http://mtdata.jp/data_86.html#yuko

 建設躯体工事従事者の有効求人倍率が9.8倍! とんでもない状況になっているわけです。  

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

超絶的に面白い! 三橋先生と竹倉先生の縄文・弥生談義。日本人の男性は、縄文時代からやっていることが変わらないという衝撃の真実。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『"万博の華"なのに「間に合わない」!? 海外パビリオン 半数以上の国が建設業者も決まらず…「2024年問題」など課題山積
 開催まで600日を切った大阪・関西万博。世界中から153の国と地域が夢洲に集まる。日本館の建設がスタートする中、問題になっているのが海外パビリオンの建設問題だ。本当に間に合うのだろうか?
◆パビリオン建設中の国はいまだゼロ…
 大阪・関西万博の目玉は、世界各国が文化や技術を発信する拠点、「海外パビリオン」だ。前回のドバイ万博でも、来場者は各国がこだわった独創的なデザインにくぎ付け。現地を視察した大阪府の吉村知事も、「万博の華」となる「海外パビリオン」に大きな期待を寄せていた。(後略)』

 なぜ、パビリオンの建設が進まないのか。最大の理由は、「夢洲の土壌」「資材コスト高騰」「人件費高騰」を受け、パビリオンを「これまでの感じ」で受注してしまうと、赤字になることが(各ゼネコンが)分かっているためです。

 というわけで、ゼネコン各社はパビリオン建設のコストを引き上げざるを得ない(それでいいわけですが)。同時に、各国が「きちんと支払うのか?」という疑いが生じている。

 政府は日本貿易保険から「万博貿易保険」を提供し、ゼネコン各社のお尻を押していますが、そもそも「コスト」「納期」が全く見えないのが今回の万博のパビリオン建設です。何しろ、このタイミングでインボイス制度導入(一人親方の廃業促進)、働き方改革による残業規制(2024年問題)と、二つの「サプライロス」の要素が加わってくるわけです。

 しかも、夢洲への交通インフラが脆弱であるため、資材や作業員を着実に送り込めるかどうか、分からない。本当に「分からない」としか言いようがないのですよ。

 有効求人倍率からも分かりますが、これからの日本は「現場で働く生産者が高い国」になっていく。これ自体は良いことですが、問題は人件費上昇分を価格に転嫁できるのかどうかです。できない場合、企業は普通に「廃業」を選ぶでしょう。  

「現場で働く生産者が尊ばれる国にしよう」に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

「財務省=悪者」ネットで知った情報で「自信」をつけて…解体デモが引き寄せる「なんとなく苦しい」普通の人 (伊藤昌亮氏) [少考さん★]

https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1744236259/l50 510 名無しどんぶらこ 垢版  |  大砲 2025/04/10(木) 08:08:24.02 ID:itzRlo370 >>431 本来は財布の...