海老沢有道
海老沢 有道(えびさわ ありみち、1910年(明治43年)11月20日[1] - 1992年(平成4年)1月3日[1][2])は、日本の歴史学者。専門は、キリスト教・キリシタン史。学位は、文学博士。元立教大学文学部史学科教授。窪田幸夫の別名もある[3]。
経歴
兵庫県尼崎市生まれ[1]。1934年(昭和9年)立教大学文学部史学科卒業[1][2][4]。卒業論文は、「京都南蛮寺建立考」[5]。同志社高等女学部で教員を務める[6]。1943年(昭和18年)応召入隊し、1946年(昭和21年)に復員する[2]。
1949年(昭和24年)聖心女子大学教授[1]、1960年(昭和35年)立教大学文学部史学科教授[1]、立教大学ラテンアメリカ研究所・所長。キリシタン音楽史の研究を始めた、同僚の皆川達夫の指導も行った。1976年(昭和51年)3月、立教大学を定年退職。同年4月、国際基督教大学大学院教授[1]を務め[2]、1981年(昭和56年)定年退職[1]。
1961年(昭和36年)「南蛮学統の研究」により、東京大学から文学博士の学位を授与される[7]。1988年(昭和63年)には、日本キリスト教文化協会よりキリスト教功労者の表彰を受ける[2]。1981年(昭和56年)4月、勲三等瑞宝章[1]。
1949年(昭和24年)のキリスト教史学会の創立には発起人の一人として名前を連ね、1963年(昭和38年)から1985年(昭和60年)まで理事長を務めた[8]。
著書
- 『切支丹史の研究』(畝傍書房、畝傍史学叢書、1942年)
- 『いるまん・ろれんそとその宗論』(キリシタン文化研究所、1942年
- 『京畿切支丹史話 日本人伊留満ロレンソの足跡を辿りつつ』(東京堂、1942年)
- 『切支丹典籍叢考』(拓文堂、1943年)
- 『切支丹の社会活動及南蛮医学』(冨山房 1944年)
- 『鎖国史論』(図書出版、1944年)
- 『洋楽演劇事始 キリシタンの音楽と演劇』(大洋出版、1947年)
- 『キリシタン文化概説』(青年評論社、青年新書、1948年)
- 『現代日本宗教の史的性格』(ナツメ社(基督教文庫)、1952年)
- 『吉利支丹文学ノート』(窪田幸夫、ナツメ社、1952年)
- 『近代日本文化の誕生』(日本YMCA同盟(キリスト教教養新書)、1956年)
- 『南蛮学統の研究 近代日本文化の系譜』(創文社、1958年)
- 『南蛮文化 日欧文化交渉』(至文堂、日本歴史新書、1958年)
- 『高山右近』(吉川弘文館、人物叢書、1958年、新装版:1989年)
- 『日本の聖書 聖書和訳の歴史』(日本基督教団出版部、1964年、講談社学術文庫、1989年)
- 『日本キリシタン史』(塙選書、1966年)
- 『天草四郎』(人物往来社、日本の武将、1967年)
- 『維新変革期とキリスト教』(新生社、1968年)
- 『地方切支丹の発掘』(柏書房、1976年)
- 『キリシタンの弾圧と抵抗』(雄山閣出版、1981年)
- 『洋楽伝来史 キリシタン時代から幕末まで』(日本基督教団出版局、1983年)
- 『キリシタン南蛮文学入門』(教文館、1991年)
- 『ゑぴすとら』(キリスト教史学会、1994年)
共編著
校注・翻訳
論文
参考文献
- 岸野久「海老沢有道氏の訃(学界消息)」『日本歴史』第527号、吉川弘文館、1992年、126頁。normal
- 立教大学史学会「海老澤有道先生追悼:海老澤有道先生略歴・著作目録(抄)」『史苑』第53巻第2号、1993年、72 - 74頁、NAID 40001501415。
- 立教大学史学会 編『立教大学史学会小史』立教大学史学会、1967年、52頁。 NCID BN08958146。全国書誌番号:73007495。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g h i 立教大学史学会 1993
- ^ a b c d e 岸野久 1992
- ^ "web NDL Authorities". 国立国会図書館. 2020年12月6日閲覧。
- ^ 『立教大学一覧 昭和15年度』立教大学、1941年(昭和16年)、p.67
- ^ 立教大学史学会 1967, p. 52
- ^ 中等教科書協会 編『中等教育諸学校職員録 昭和10年5月現在 第32版』中等教科書協会、1935年9月1日、225頁。NDLJP:1448162/179。
- ^ 〔国立国会図書館書誌情報〕
- ^ "学会の歴史". キリスト教史学会. 2020年12月6日閲覧。
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