2024年5月14日火曜日

ブラッディ・マリー - Wikipedia

ブラッディ・マリー - Wikipedia

名前の由来

16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来するといわれている[7][12]。メアリーは即位後300人にも及ぶプロテスタントを処刑したことから、「血まみれメアリー」(Bloody Mary) と呼ばれ恐れられていた。このカクテルは、トマトジュースの色と粘性を血液にみたてて、「ブラッディ・マリー」の名がついたといわれている[7]


  1. a b c d e f 朱鷺田祐介「ブラッディ・マリー」『酒の伝説』新紀元社、2012年。ISBN 978-4775306970
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC

ブラッディ・マリー

曖昧さ回避 この項目では、メアリー1世の渾名を由来とするカクテルについて説明しています。イングランド女王のメアリー1世については「メアリー1世 (イングランド女王)」をご覧ください。

ブラッディ・マリー (Bloody Mary) とは、ウォッカをベースとする、トマトジュースを用いたカクテルである。

ブラッディ・メアリと表記することもある[3]

概要

トマト味のカクテルである[3]

トマトジュースを飲む際に食塩コショウを追加して自分好みの味に調えてから飲む人は少なくないが、本カクテルにおいても同様である[3]。塩以外にはウスターソース(リーペリン・ソースを銘柄指定する人も多い)やトマトケチャップレモンジュース醤油照り焼きソースなどを加えることも好む人がいる[3]ホースラディッシュのすりおろし汁を加える人は他には何も加えず、これを「シェイプアップスタイル」と称することがある[3]

二日酔いに効くと考えられている[4]

歴史

ブラッディ・マリーの起源についてははっきりしていないが、以下のような説がある[5]

フランスパリハリーズ・ニューヨーク・バー英語版バーテンダーフェルナン・プティオ英語版ウォッカトマトジュースで割ることを考案した[5]。プティオ自身の証言によれば喜劇俳優のジョージ・ジェッセル英語版からレシピを教わったという[6]。このため、1921年のハリーズ・ニューヨーク・バーを発祥とすることがある[3][7]

プティオはパリを去り、1934年からアメリカ合衆国ニューヨークのホテルセントレジス・ニューヨーク英語版(2015年以降はマリオット・インターナショナル所属)の「キングコールバー(: King Cole Bar)」で働くようになる[5]。そこでプティオはウォッカをジンに替え、レモンジュース、セロリソルトブラックペッパーカイエンペッパー、ウスターソースを加えるなどの改良を行い、「レッド・スナッパー: Red Snapper)」と名を替えて提供するようになる[5]。これは「ブラッディ・マリー」という名称がホテルのエレガントな雰囲気に合わないというホテル側からの要望があったためである[5][8]。後に元のウォッカによるカクテルも同名のレッド・スナッパーで提供するようになる。これによって、セントレジス・ニューヨークをブラッディ・マリーの発祥の地とすることがある[8][9]

この他、オテル・リッツ・パリが発祥という説もある[10]。リッツ・バーのヘッドバーテンダーだったFrank Meierがトマトジュースを用いるカクテルを考案したとされるが、このレシピは現存していない[11]

名前の由来

16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来するといわれている[7][12]。メアリーは即位後300人にも及ぶプロテスタントを処刑したことから、「血まみれメアリー」(Bloody Mary) と呼ばれ恐れられていた。このカクテルは、トマトジュースの色と粘性を血液にみたてて、「ブラッディ・マリー」の名がついたといわれている[7]

以下のような説もある[13]

  • 考案者であるフェルナン・プティオ英語版が好きだったメアリーというダンサーの名前から。
    • メアリーはシカゴの「Bucket of Blood」という店で働いていた。
  • アーネスト・ヘミングウェイが結婚する直前、マリーという女性と付き合っていた。ヘミングウェイは自分の息がアルコール臭くなることを嫌がってジュースで割った飲み物を頼んだ。トマトジュースが加えられたその飲み物をヘミングウェイは「ブラッディマリー」と声に出しながら飲んでいた。
  • ハリーズ・ニューヨーク・バーではトマトジュースを使ったプティオのカクテルを当初「Bucket of Blood」の名で提供していた。店の常連客にマリーという女性がいたが、マリーは相手の男性にいつも待ちぼうけを食わされ、プティオのカクテルを寂しそうに飲んでいた。その様子がまるで、長期間幽閉されたメアリー (スコットランド女王)に相通じるものがあったことから名づけられた[11]

レシピの例

材料[14]
  • ウォッカ - 40ml
  • トマトジュース - 120ml
  • レモンジュース - 10ml
  • ウスターソース - 適量
  • セロリソルト - 適量
  • コショウ - 適量
  • タバスコ - 適量
作り方[14]
  1. 氷を入れたコリンズグラスに材料を入れ混ぜる。
  2. セロリのスティックを飾る。

備考

  • セロリをはじめとした野菜スティック等を添えたり、ウスターソース食塩コショウタバスコなどを添える場合もある[15]
  • 味の調節のしやすいカクテルであり、自分なりのアレンジが可能。自分好みに合ったブラッディ・マリーに出会うため、バーテンダーにお勧めのトッピングを聞くなどして、試行錯誤すると良い。

バリエーション

ブラッディ・サム[7][16]
ウォッカをジンに替える。
レッド・スナッパー[5][10]
ウォッカをジンに替える。
ストロー・ハット[7][17]
ウォッカをテキーラに替える。
レッド・アイ[7]
ウォッカをビールに替える。
デニッシュ・マリー
ウォッカをアクアビットに替える。
バノックバーン
ウォッカをスコッチ・ウィスキーに替える。由来はバノックバーンの戦い
ヴァージン・マリー[18]
ウォッカを抜いて、ノンアルコールカクテルにする。
ブラッドレス・マリー[19]
トマトジュースをクラム・ジュースに替える。
ブラッディ・シーザー[12][20]
トマトジュースをクラマト英語版(ハマグリのダシ入りトマトジュース)に替える。

脚注

出典

  1. YYT project 編 『おうちでカクテル』p.65 池田書店 2007年2月20日発行 ISBN 978-4-262-12918-1
  2. 稲 保幸 著 『色でひけるカクテル』p.32 大泉書店 2003年12月18日発行 ISBN 4-278-03752-X
  3. ^ a b c d e f 福西英三「ブラッディ・メアリ Bloody Mary」『カクテル教室』保育社、1996年、33頁。ISBN 9784586508877normal 
  4. ^ 坂田阿希子、仁平綾、伊藤まさこ『ニューヨークレシピブック NEW YORK RECIPE BOOK:朝ごはんからおやつまで。いま食べたいNYのレシピ60』誠文堂新光社、2015年、115頁。ISBN 978-4416615638 
  5. ^ a b c d e f Vincenzo Marianella; James O. Fraioli (2017). "RED SNAPPER (THE ORIGINAL BLOODY MARY)" (英語). The New Bloody Mary :More Than 75 Classics, Riffs & Contemporary Recipes for the Modern Bar. Skyhorse Publishing. ISBN 9781510716698 
  6. ^ 石垣憲一『カクテルホントのうんちく話』柴田書店、2008年。ISBN 978-4388353262 
  7. ^ a b c d e f 朱鷺田祐介「ブラッディ・マリー」『酒の伝説』新紀元社、2012年。ISBN 978-4775306970 
  8. ^ a b "名門ホテルには世界に名を馳せるカクテルがある。". Safari (2019年12月8日). 2022年8月15日閲覧。
  9. ^ セントレジスホテル&リゾートがアジア太平洋地域にて新たなバープログラムを開始』(プレスリリース)マリオット・インターナショナル、2021年11月9日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000874.000011305.html2022年8月15日閲覧 
  10. ^ a b 『カクテルをたしなむ人のレッスン&400レシピ』日本文芸社、2021年、139頁。ISBN 978-4537218695 
  11. ^ a b デイル・デグロフ英語版 (2002). "THE BLOODY MARY" (英語). The Craft of the Cocktail. Clarkson Potter. ISBN 978-0609608753 
  12. ^ a b THE PLACE『カクテル事典』学研パブリッシング、2014年、104頁。ISBN 9784058003206 
  13. ^ ALEX TURNBULL (2022年1月11日). "ブラッディマリー 生誕100周年を祝うパリの名店". NewSphere. 2022年8月15日閲覧。
  14. ^ a b チャールズ・シューマン、福西英三翻訳、松本みどり翻訳『シューマンズ バー ブック』(新装版)河出書房新社、2018年、66頁。ISBN 978-4309279213 
  15. ^ 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3
  16. ^ 『改訂版カクテル完全ガイドうまいつくり方の方程式』池田書店、2021年、79頁。ISBN 978-4262130705 
  17. ^ 『改訂版カクテル完全ガイドうまいつくり方の方程式』池田書店、2021年、130頁。ISBN 978-4262130705 
  18. ^ 『カクテルをたしなむ人のレッスン&400レシピ』日本文芸社、2021年、167頁。ISBN 978-4537218695 
  19. ^ 堀井浩一『つくる・飲む・楽しむ カクテール』文研出版、1986年、201頁。ISBN 4-580-90230-0 
  20. ^ 『カクテルの図鑑』マイナビ出版、2013年、63頁。ISBN 9784839946234 

関連項目[編集]

0 件のコメント:

コメントを投稿

The Machine Age and the Human Condition: Possible Futures | Lecture by P... 2024

The Machine Age and the Human Condition: Possible Futures | Lecture by Prof. Robert Skidelsky youtube.com https://www.youtube.com/live/MUTOY...